浄土真宗の永代供養のお墓の特徴を教えてください。
専門家が答える永代供養墓Q&A
浄土真宗の場合は永代供養墓とは呼ばず、遺骨の一部を合葬する習慣がある。
浄土真宗、真宗各派では、阿弥陀如来の本願により故人は亡くなると彷徨うことなく極楽浄土に往生するとされています。
そのため、「死後によいところに行けるように」「迷わないように」という意味の追善供養は必要なく、「供養」という言葉は基本的には使用しません。
永代にわたって遺骨を管理する仕組みのお墓については、「永代供養墓」とは言わず、「永代墓」「永代管理墓」「永年墓」などといった名称が使われます。
浄土真宗、真宗各派では、宗祖親鸞聖人の廟所に、遺骨の一部をひとつに合葬納骨する「本山納骨」の習慣があり、遺骨を合葬する行為が広く行われてきました。
例えば本願寺派なら「大谷本廟」、大谷派なら「大谷祖廟」(どちらも京都府)があります。
近年は遺骨の一部ではなく、すべての遺骨を本山納骨したいという希望者が増えているようです。
浄土真宗で永代供養をする場合の費用、お布施の相場や有無は地域によって異なる。
浄土真宗、真宗各派の永代墓も、他宗派と同様、立地や施設によって、また納骨方法が個別か合葬かによってお墓にかかる費用は異なります。
例えば都市部で個別納骨できる永代墓の場合は、1柱で50万~80万円程度が相場ですが、合葬なら同じ都市部でも20万~30万円となります。地域によっては、数万円程度から利用できる合葬タイプの永代墓もあります。
お布施とはお世話になったお気持ちを示したものですので、宗旨・宗派の違いによって相場が変わるというよりも、各寺院によって異なるものです。
個別法要の際にお渡しするお布施は、1万~5万円程度が多いでしょう。
お盆やお彼岸など、寺院で行われる盂蘭盆会法要、彼岸会法要などに参加する場合は、5千~3万円程度のお布施を包むことが一般的です。
大阪は浄土真宗・真宗各派の寺院が多く、時流に応じて柔軟な葬送に対応してきた風土がある。
大阪府内は浄土真宗、真宗各派の寺院が多いエリアです。土葬が主流だった時代でも火葬率が高く、特に葬送儀礼については時流に応じて柔軟に対応してきた風土があります。
永代墓は合葬タイプが多いのですが、宗旨・宗派不問とする樹木葬エリアを開設している寺院も多数あり、こうした樹木葬墓地は一定期間個別で使用できる場合でも、お墓を継ぐことを前提とせずに永代管理になっているケースが多くあります。
本願寺派の別院にあたる北御堂(津村別院)内には、いわゆる永代供養墓にあたる永久納骨所があり、こちらは1柱5万円で遺骨を合葬納骨することができます。
浄土真宗では、墓石などに「倶会一処(くえいっしょ)」と刻まれることも多いのですが、これは阿弥陀如来の導きによって極楽浄土で共に会うという意味です。
お墓は単に遺骨を納める場所ではなく、仏縁を育む場所ですから、寺院内の永代墓を購入する場合は、生前からお盆やお彼岸の法要、永代経法要、宗派の行事である報恩講など、寺院で行われる法要や行事にもできるだけ参加したいものです。
浄土真宗の永代供養に関するその他の悩み
浄土真宗のお墓は永代供養が可能ですか?
浄土真宗では永代供養という表現はしませんが、永代に渡ってお墓の管理人や住職が管理してくれる「永代墓」は存在します。
そのため、そのお墓で永代にわたってご遺骨の管理をお願いできます。
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浄土真宗のお墓で、他の特徴はありますか?
浄土真宗では、「阿弥陀如来を信じるものは、極楽住生できる」と考えられているため位牌を不要としています。
そのため、本尊のみを礼拝の対象としています。
他にも浄土真宗の仏壇の意味や配置など色々な特徴があります。
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公開日:
2022-09-28
更新日:
2022-09-28